聖霊の宴
終わりを告げる満月の夜。
シルクが城で休息をとっていると、突如辺りがまばゆく光りだした。
「くっ、なんなんだ!?」
『……落ち着いてシルク。これは……』
戦闘体勢に入ろうとしたシルクを制するミカエル。
すると光は一点に収縮し、その影に人が現れたのだった。
『初めまして、こんばんは新たなサマー・グラウンドの王』
「はっ!……君は天使なの?」
ミカエルの様な純白の衣に身を包み、背中からはたくましい翼が生え、頭上に光の輪が煌めく。
ミカエルとの違いといえば少し弱々しく見える杖を持っていることだろうか。
『私は"通達する者"。名をメゼシエル。』
「通達する者メゼシエル。ミカエルは彼を知っているの?」
ミカエルとメゼシエルはお互いを見つめる。
無表情なミカエル、メゼシエルはにっこりと笑った。
『私は神に使えていますが大天使様が知らぬのも無理はありません。
私は一介の下級天使に過ぎませんので』
申し訳なさそうに眉をひそめるミカエルに、メゼシエルはまた微笑む。
『それでは本題に入りましょう。
今日私が地上に出向いたのは他でもない。神の意志を大陸の王達に伝える為です』
「神の意志……?」