聖霊の宴


たった一本のロウソクに照らされる部屋は薄暗く、熱気が充満していた。

その真ん中で布団に横たわるリコと、リコの前に座り何かを唱えるサモンの姿。

そして、それを部屋の片隅で見つめるフレアとイフリート。

「リコ……?リコ!!」

リコに駆け寄ろうとしたシルクをフレアが腕を掴んで止める。

「フレア王……」

「王はお前、ただのフレアで良いよ」

フレアは掴んでいた腕を離す。

「これはいったいどういうことですか?リコの身に何があったって言うんですか?

何で……元大陸王のあなたがこんな地にいるんですか?」

シルクの瞳は哀しげで、自らの無力を嘆いているようだった。

フレアはそんなシルクを見て優しく微笑む。

「どうやら一段落付いたみたいだ、さっきの質問にはちゃんと答えるよオレとサモン様でな」

サモンがゆっくりと立ち上がる。

振り返ったサモンの額には滝の様に汗が伝っていた。

「サモンさん?あなた……いったい何者なんですか?」









< 210 / 406 >

この作品をシェア

pagetop