聖霊の宴
たった一本のロウソクに照らされる部屋は薄暗く、熱気が充満していた。
その真ん中で布団に横たわるリコと、リコの前に座り何かを唱えるサモンの姿。
そして、それを部屋の片隅で見つめるフレアとイフリート。
「リコ……?リコ!!」
リコに駆け寄ろうとしたシルクをフレアが腕を掴んで止める。
「フレア王……」
「王はお前、ただのフレアで良いよ」
フレアは掴んでいた腕を離す。
「これはいったいどういうことですか?リコの身に何があったって言うんですか?
何で……元大陸王のあなたがこんな地にいるんですか?」
シルクの瞳は哀しげで、自らの無力を嘆いているようだった。
フレアはそんなシルクを見て優しく微笑む。
「どうやら一段落付いたみたいだ、さっきの質問にはちゃんと答えるよオレとサモン様でな」
サモンがゆっくりと立ち上がる。
振り返ったサモンの額には滝の様に汗が伝っていた。
「サモンさん?あなた……いったい何者なんですか?」