聖霊の宴
「シルクよ"ソフィア族"のことを知っているか?」
その言葉にシルクの胸がざわつく。
怒りで魔力が漏れるのが自分でも分かる程に。
「そうか……もうすでに接触していたか」
シルクはソフィアとのことを全て話した。
「そうかルシフェルを従え闇を操る者。それにオルターがやられたか……」
シルクは拳をにぎる。
怒りも憎しみも、己の腑甲斐なさも全て力に変える為に。
「僕は奴を許さない。人の生命を簡単に踏み躙るような奴は絶対に!!」
シルクの叫びにフレアは哀しげに俯いた。
「人の生命を簡単に踏み躙るような奴に……か」
サモンはゆっくりと目蓋を閉じた。
「一つ問おうシルク」
「……?はい」
「もし君の大事な者を理不尽な理由で、もしくは正当な理由もなく殺されたとして、君はその殺した者を憎まずにいれるか?」
シルクは一瞬驚いた様な顔をして、横に首を振る。
「そうだ。復讐は罪だと言うことは容易いが、しかし復讐をしないことは実に難しい」
「それとソフィア族と何の関係があるんですか?」
そしてサモンは語るのだった。
消し去られた過去の残酷な物語を。