聖霊の宴
「これは我が一族に代々語り継がれてきた過去の物語だ。
我々"ポリア族=仲介する者="と"ソフィア族"は大陸王の他で唯一、アバンカールドが眠る時も魔力を扱える一族だった」
「ポリア族?」
「精霊と人間とを仲介する力を持つ一族のことだ。
遥か昔はポリア族以外に魔力を扱うことはできなかった。
魔力で人々を導いていこうとした一族は『先導者』、『神の使い』、『統治者』などあらゆる言葉で呼ばれた。
だが、ある時強欲になってしまった一部の者が魔力で世界を支配しようとした。それが波乱を呼ぶ者"ソフィア族"と呼ばれる様になる」
フレアは目を瞑り、一切の口を挟まない。
「聖霊の宴とは元来、この2つの一族が魔力を持たぬ民を巻き込まずに支配権をかけ争う為、神が設けたものだったのだ。」
紐解かれる聖霊の宴の歴史。
シルクは茶器に手をかけたまま聞き入っていた。