聖霊の宴
ワイズは静かにティーカップを置く。
そして真剣な表情で話を始めるのだった。
「さて、今回僕がここにやってきたのはさっきも言った様に君と協定を結ぶ為だ。
協定を結ぶ利点は単純だ。厳冬と晩秋の王はまず間違いなく手を組むことはない。
一個人としての魔力や戦闘能力はこれまでに類を見ないが、君と手を組むことでこちらは大陸王2人で戦うことができる。言うまでもなく有利に戦えるだろう」
シルクはゆっくりと頷く。
「そして自ずと問題は統一王のことになるのだが、安心して欲しい。
僕は統一王の座に欠片ほどの興味がない。つまり厳冬と晩秋、2つの王を落としたあかつきには君が統一王になることとなる。
どうだい?悪くない話だろう」
ワイズの言葉にシルクの反応はなかった。
冷たい沈黙が流れる。
「……一つだけ聞いても良いですか?」
シルクが口を開く。