聖霊の宴
ワイズは両肘をテーブルにつき、手を組んでその上からシルクを見る。
シルクは静かに言うのだった。
「……あなたは今、2つのウソを吐きましたよね?
それは何故ですか?」
ワイズは組んだ手で口元を隠し、シルクに悟られぬように笑った。
「ウソ?なんのことかな?」
ワイズは上体を立たせ、両腕を上げてみせる。
シルクは大きく息を一つ吐いて、言う。
「一つは統一王に興味がない。ということ。
もう一つは……」
シルクはワイズの瞳を真っ直ぐに見つめている。
ワイズもまた目を逸らすことはない。
「僕達2人が組むことで、戦いを有利にできるということ」
「…………
ふっ」
ワイズは声を出して笑った。
とても愉快そうに。
「気に入ったよ、シルク・スカーレット。
最初はただフレアの頼みで君をサポートしようと思っていたのだが、気が変わった」
『……ワイズ?』
シルフィードが心配するかのようにワイズの周りを優しく飛ぶ。
「大丈夫だよシルフィード。少しだけ興奮してはいるけれどね」