聖霊の宴


ワイズの言葉に濁りを感じたシルク。

「……隠し事は止めませんか、ワイズ王?」

シルクの声にワイズは笑った。

シルフィードは光りながらワイズの周りを飛び回る。

「この戦い、僕を引き入れることでワイズ王、あなたは本当は得るものなど無い。

違いますか?」


ここで初めてワイズは獲物を狩る猛獣の様な瞳をした。

ピリッと痛い空気が辺りを覆う。


「君は洞察力が高いようだが本質を見落としてしまいがちだね」

鋭い瞳と柔らかな口調のミスマッチ。

シルクは無意識にいつでも臨戦態勢を整える心構えをしていた。

「君は……


この戦いの勝者が既に決まっていると知ったらどうする?」

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