聖霊の宴

シルクは確かに覚えがあった。

クラフィティ、サモン、フレアにワイズ。

今思えば皆が確かにシルクをその血で呼んだ。

「スカーレットは5賢者の中で最も力を持ち、5賢者の中で唯一ソフィア族に対抗し得る血族なのだ」

ワイズは窓際からゆっくりとシルクに歩み寄る。

そして女性の様に綺麗な手を差し出した。

「分かっただろう、シルク・スカーレット?この戦いに勝つために君の力が必要なのだ。

今一度言おう。私と手を組んで欲しい」

シルクはその手をゆっくりと掴む。

『……シルク?』

シルクは分かっていた。

今必要とされているのは「自分」ではなく「スカーレットの血」だということ。

それでも協定を結んだのはただ、風の様に奔放で力強いワイズという人物に惹かれてしまったからに他ならないことも。






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