聖霊の宴
「ワイズ王……はっ!!
流石ですね。二月前よりも魔力が遥かに洗練されている」
シルクはワイズを見て痛いほどにピリピリとした魔力を感じた。
根本の部分はそよ風の様に柔らかなワイズの魔力。
しかし、その奥底に隠された嵐の様に荒々しい魔力にシルクは精神を削られる思いだった。
ワイズはふと笑うと魔力を静める。
「わざと君に悪意を向けてみたんだが、前の君だったら耐えられなかっただろう。
素晴らしい進歩だねシルク」
ワイズの言葉にシルクは笑顔で頷いた。
「統一王戦まで残り1週間を切った。
そろそろ戦いの説明があっても良い頃だと思うのだが……」
シルクはふと思った。
そのような告示があるのなら、自分もワイズも城に居なければならないのでは?と。
しかし、そんな疑問も杞憂に終わった様だ。
ふいに目の前が神々しく輝きだし、影を写す。