聖霊の宴


「質問はない。」

ワイズはそう言い切った。

メゼシエルはまた微笑む。

『では、私はこれで失礼します。

それでは早春と立夏の大陸王、御武運を祈ります』

メゼシエルは光の中に消えていった。

「これまでに戦った者を配下に……か。

いったい神は何を考えているのだ?」

ワイズは西方を見渡す。

雲の切れ間から街が見えた。

「まずは仲間を集めなければならないようだね。

シルク、君は誰が力を貸してくれそうな者を知っているかい?」

シルクは力強く頷く。

「マリアさんは僕に力を貸してくれると思います」

「そうか。では僕も心当たりをあたってみることにするよ。

では、1週間後に僕の城で落ち合おう」

ワイズはそう言うと、風に消えた。

シルクはゆっくりと空を見上げる。

真っ青な空がただそこにあった。




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