聖霊の宴


シルクがマリアに何かを伝えようとした時だった。

強風が吹いたかと思うと、マリアの後ろから橋が崩れ落ちていく。

「な、なによこれ!?」

必死でかけるマリア。

シルクはふと立ち止まる。

「ちょっとシルク。何止まってるのよ、落ちるわよ!」

シルクは崩れ落ちていく橋の先を見つめる。

「マリアさん落ち着いて。

もし現実なら、橋が陸地から離れた時点で僕達は谷底に落ちていますよ」

シルクの言葉にマリアははっとした。

支えもない橋が崩れているのに、未だに立っていられる不自然。

マリアもゆっくりと後ろを向いた。

「さぁ、出ておいで」


シルクがそう言うと、辺りの空間が揺れだした。

「な、なに……?」


そして、霧が消えるように今までの景色が消えて、足元がふわっとした。





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