聖霊の宴
「えっ、ここってもしかして……」
赤い絨毯の上。
天井にはシャンデリアがあり、壁には名高い画家の絵が惜し気もなく飾られている。
パチパチ。と手を叩く音がして、2人はその方向を向いた。
「ようこそ2人とも。我が城へ」
そこではワイズがにこやかに2人を迎えていた。
その隣でケーキを頬張る少年。
「……今の幻術はその子の力ですか?」
シルクがその少年を指差す。
少年は気にもとめずにワイズが用意した山の様なケーキを次々と口にする。
「彼はリオン・マグガネル。精霊は悪戯好きのピクシーさ」
リオンの肩には小さな妖精が乗っていた。
ピクシーはシルク達からふいっと顔をそらす。
どうやら自分の幻術を破られてしまったのがお気に召さなかったらしい。
「本当はもう1人呼んでいるのだが、彼はまだ他の仕事があってね。
とりあえずはこの4人が王の試練に臨むパーティーとなる」
風の王ワイズ。
光の王シルク。
水を操るマリアに幻術を使うリオン。
「敵はどれだけの戦力を集めたかは分からないが、我々は戦争をするわけではない。
要は標的となる王を討てば良いのだからな」