聖霊の宴


「少数精鋭だと言えば聞こえは良いが、実のところ、これが限界だった。」

「どういうことです?」

ワイズはゆっくりとリオンを見た。

「リオン、説明してやってくれ」

「えー……しょうがないなぁ」

リオンは面倒くさそうに口を尖らせてから、そう言った。

「他の参加者はみんな厳冬の大陸王についたよ」

「――なっ!?」

リオンはタルトの生地をフォークで細く削りながら、話を続ける。

「正確には服従させられてるってところかな?」

「服従?」

「そ。この王の試練てやつは、王になれなかった参加者だけが参加するわけじゃないんだよ」

「どういう意味よ?勿体ぶってないでちゃんと話なさい」

マリアの怒声に、ピクシーがあっかんべーをした。

「分からないかい?『王』と『王になれなかった者』。

宴の参加者は本当にその2つだけだったかい?もう1つあるだろう?」

リオンの言葉にシルクは気付いた。

「そうか……もう1つは……」






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