聖霊の宴
「はぁあ、『光撃』!」
シルクの左腕から閃光が瞬き、グレイシアに向かっていく。
「――『氷晶反射』」
グレイシアの足元から氷の壁が現れ、シルクの放った光を反射させる。
その影から現れたマリアがギフト・ポセイドンの槍を振り下ろす。
「ちっ、面倒くさいやつらね」
水流で氷壁を圧砕するマリア。
グレイシアは後方に跳ぶ。
「『水弾』!!」
マリアが魔力を込めると大気中の水分が集まり、マリアの周りに8つの水の塊を生み出した。
ポセイドンの槍をバトンの様に器用に回転させると、周りにあった水の塊も回転を始める。
槍を天に突き上げ、切っ先をグレイシアに向ける様にして振り下ろす。
乱回転しながらグレイシアに向かって放たれた水弾。
8つのそれは回転しながら重なり合い、まるで水の竜巻の様に巨大な塊となってグレイシアを飲み込む。
水飛沫が散る。
「はぁはぁ、やった?」
マリアは魔力をかなり消費したのだろう肩で息をしている。
吹き上がった水が空に向かって弾ける。
舞い散った水滴が氷の結晶となって、ふわりと落ちてくる。
「……マリアさん。
どうやらまだみたいですよ」
「――なっ!?」