聖霊の宴
サモンはちらりと窓の外を見た。
もう朝靄が晴れ、人々が農作業を始めている。
「期日まで時間がない……ここ灰炎より城下町『輝炎』まで少なくとも3日はかかる。急いだ方が良いだろう。」
これ以上話はない。とサモンは無言で語っていた。
「はい。わかりました。色々とお話してくれてありがとうございました。」
シルクは席を立つと一礼をして、扉へと進んだ。
「君の畑は私が責任をもって管理しておく。宴が終わったらまたご飯を食べにおいでシルク。」
にっこりと笑ってサモンはシルクを送り出した。
シルクはゆっくりと故郷を忘れぬ様踏みしめて旅立っていく。