聖霊の宴
その頃、マリアと共闘するシルクは元厳冬の大陸王グレイシアの圧倒的な魔力に苦戦していた。
「ふふ。どうしたのかしら坊や達?さっきまでの威勢は何処にいったのかしら?」
底知れぬ程の強大な魔力。
それは闘いにおいて魔術を制限なく使えると言うこと。
マリアは魔力が少ない。
いつでもその限界を計算しながら術を使わなければならないというハンデを背負っていた。
「マリアさん?」
「はぁ、はぁ。平気よシルク。
それよりもグレイシアから目を離さないで」
一瞬の気の緩みが甘さが即命取りとなる闘い。
シルクは一抹の不安を拭えずにいた。
フレアを下し立夏の大陸王となったシルクではあったが、大陸王と命をかけた闘いをするのは初めてだった。
これまでにフレアやワイズと拳を交えたが、どちらもシルクの力を計るのが目的であって真の力は出していなかった。
「さすがは元厳冬の大陸王。対峙しているだけでプレッシャーに押し潰されてしまいそうだよ」
『これが本当の命をかけた闘いというものですね。ゲセニア以来の本当の闘いです』