聖霊の宴

圧倒的な魔力にマリアは臆せずに立ち向かう。

一歩踏み出した瞬間。

「ーー?

勾玉が散った!?」

グレイシアの手にあった7つの勾玉の内、3つが淡い光の塵となり消えたのだった。

しかし、グレイシアの様子に変化はない。

「さて、私のオーパーツを見て生きている人は現厳冬の大陸王だけ。

臆することはないわ。でもね、そんなに構えなくても良いわよ。

だって、あなたの死はすでに避けようのないものとして決定しているんだもの」

グレイシアは破壊神の七夢を天にかざす。

勾玉は天空を貫く光を放つ。

曇天の空が割れ、遥か上空が爆発したかのように光り輝くと、瞬く間に割れた雲が空を覆い尽くすのだった。

マリアの身体が小刻みに震える。

それを見たグレイシアが恐ろしいほどに優しい笑みを浮かべた。

「恐がらなくて良いのよ。

恐怖なんて感じる間もなく、あなたは殲滅の光に焼き尽くされる

シヴァーー『殲光崩界』」

曇天の空から無数の光が堕ちてくる。

その光は地上に近づくにつれ強く禍々しく光を発し。

雪原に触れた瞬間に大爆発を起こす。

一筋の光がマリアのいる場所から3つ山を超えた地点に堕ちた。

「ーーなっ」

その爆発は山を2つ削り、爆風がマリアをも吹き飛ばさんばかりに四方に広がる。

「こんなの防げるわけがない。

こんなのーー」

降り注ぐ破壊の流星群が美しかった雪原を山脈の一切を焼き尽くしていく。

その様は世界の崩壊に写る。

「サヨなら、マリア」
< 271 / 406 >

この作品をシェア

pagetop