聖霊の宴
「サラサラ……サラサラ……」
草木の擦れる音。
「チチチ……ピピ……」
小さな小鳥のさえずり。
目を閉じ耳で感じる自然。
数多の音の中からシルクはそれを見つけた。
「ザザザ……サラサラ……」
「……あった、湖の波の音だ。」
シルクはその音が聞こえた方角へと歩き始める。
道なき道を潜り抜けていく。
気ままに伸びた弦やヘタが木々から垂れ下がり、視界を遮る。
獣道を抜けると、その音が顕著に届く様になる。
「あった。距離的にヌイドル湖かな。」
シルクの視界いっぱいに広がる広大な湖。
透明な水。
色とりどりの熱帯魚に不細工な水藻。
シルクが辺りを見回した時、あることに気付いた。
「……あれは、人?」