聖霊の宴
闘いの結末に水を刺された怒りからかサスケは執拗にシルクだけに焦点を絞っていた。
オハンの危機察知、タラリアの速力でどうにかサスケの超速の攻撃をシルクは最小限のダメージで回避していた。
シルクを攻撃する際に生じる隙とも言えぬほどに小さな隙をワイズが攻めるが決定打には至らない。
「くだらん……」
サスケは手を止め、投げ捨てる様にそう言った。
濃霧の様に満たされた霞の中でサスケの魔力が膨れ上がっていくのが分かる。
『なんという禍々しい魔力。
とても人間とは思えません』
「史上最強の魔力といっていたグレイシアのそれより大きく感じる」
魔力は膨れ上がり、一刻の静寂を見せたかと思うと、触れるだけで刃物のように切れるのではないかと錯覚するほどに研ぎ澄まされた魔力を放つ。
「いよいよ本気だな……」
シルクは震えていた。
手が足が、鼓動が。
『あなたなら大丈夫。
私がいる』
「うん。
見せてやろう、僕達の闘いを」
シルクは自らの力を試せる喜びでうち震えていたのだった。