聖霊の宴
その結末に誰もが声を失った。
シルクがそれまで立っていた場所で鮮血が飛び散る。
勢いよく吹き出した血は音を立てて地面を染めていく。
「そんな・・・どうして?
ワイズ王!!?」
シルクがいたはずのその場所で、シルクを吹き飛ばし身代わりとなったワイズがグングニールに貫かれていた。
「・・・シルク
はぁはぁ・・・無事で
よかった」
ワイズは力なく前のめりに倒れる。
シルクは声にならぬ声で発狂した。
シルクの中から湧き上がるどす黒い感情。
シルクはそれに身を委ねた。
大天使の羽衣は漆黒に染まる。
「よくも・・・
よくもワイズ王ヲ」
憤怒に身を任せたシルクの拳が、魔力を身に纏うサスケを叩く。
ガード越しでも伝わるその威力にサスケは左腕を砕かれる。
「許サナイ・・僕ハ貴様ヲ
許サナイ!!!」
漆黒の羽衣がサスケの四肢を縛り付ける。
身動きの取れなくなったサスケをシルクは容赦なく怒りに身を任せた拳で叩きつける。
『シルク!シルク!!』
シルクは死神の様に冷酷な瞳で動かなくなったサスケを殴り続けていた。
ミカエルは声を枯らしながら叫ぶ。
『シルクだめです!そっちへ行ってはいけない!!
あなたは・・・あなたまでもが!!!』
殴打の音が響き渡る中でミカエルの声に反応したのはシルクではなかった。
「・・・シルク・スカーレット。
ダメだ、君はそっち側へ行ってはいけない」