聖霊の宴

その時、全大陸に暴風が吹き荒れた。

強大な風は山を街を飲み込み打ち砕く。

暗黒の霧が立ち込め、人々は恐怖に震えながら身を縮めるしかなかった。

「な、なんだありゃあ」

風はすぐに止み、ただ非情なまでの爪痕を大地に刻み付けて去っていった。

屋外へ様子を見に出た人々がその異変に固唾を呑む。

「終わりだ……もうこの世界は」

「神様……」

暗黒の霧が光を遮断し心細い松明の灯りだけが辺りを照らす。

真っ黒な空。

そこには悪魔の如く真紅にどす黒く輝く月が光っていた。

世界の終焉まで残り








3日。









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