聖霊の宴
サスケが大男と対峙する。
「・・・・・」
サスケはすぐにその男が、否。
その男たちが正気でいないことに気付いた。
ゆっくりと鞘に収めたままの刀を構える。
「ぬあああああああああっ」
「貴様、何故我らに牙を向けるのだ?」
「ぬあああああっ、ああああああああ!!」
サスケは小さく息を吐いた。
哀れみの念が溢れ出る。
「あやつの何かしらの能力に犯されたか・・・
せめて我が刀でもって安らかに逝くが良い」
サスケの姿が消える。
超速の縮地は目で追うことなど到底叶わず、文字通り視界から消える。
地面を蹴る音は後に響き、無音のもとに相手の喉元へと移動する。
その速力を微塵ほども殺すことなく繰り出される斬撃は無論回避するに能わず、ただ水が掌をこぼれ落ちていくが如く、生命を刈り取る。
「ぬあ?」
大男は右手を上げる。
そこには気味が悪いほど真紅に煌く指輪がはめられていた。
指輪はおぞましい魔力を放つ。
するとまた何処からともなく大地が隆起し突起した岩がサスケを襲う。
サスケは横回転しながら斜めに飛ぶ。
「さっきの娘を襲ったのはこの男か!
小癪な技を使うーーなっ!!」
逃げた先に待ち構える漆黒の闇。
サスケは着地することもできずに体勢を崩した。
「この男……闇の力を使うのか?
しかし、なんだこの違和感は?」