聖霊の宴
その頃ゲセニアと戦うグレイシアとマリアは闇の絶対防御の前に苦戦を強いられていた。
「『水流弾』!!」
「凍てつけ!」
マリアが産み出した水がゲセニアに向かい、渦を巻きながら突進する。
その水流にグレイシアの魔力が触れるとたちまちに氷結していく。
「無駄だ。我が絶対防御は何物も触れることすら赦さない『ヴァコース・テリトリー』」
闇の蝿の群れがゲセニアを包み込んでいく。
凍てつく水流がゲセニアを捕らえるが、蝿がゲセニアを包み込む方が早く、水流を蝕む。
「なんて面倒な能力なの!?
私のオーパーツなら一発なのに、流石に1日に三回も使ったら私の魔力がもたない」
グレイシアの意識が僅かにゲセニアから逸れた瞬間をゲセニアは見逃さなかった。
ゲセニアがグレイシアに向かい手をのばすと漆黒の闇がグレイシアを取り囲んだ。
「しまった……!?」
闇が魔力もろともグレイシアを呑み込もうとした時、不可思議な気流がそれを飲み込んだ。
それはマリアのオーパーツ『ロッド・オブ・バミューダ』の力だった。
「助かったわマリア」
グレイシアはゲセニアから距離を取る。
その姿を見てゲセニアは不敵に笑っていた。