聖霊の宴


どす黒い感情。


憎悪、嫉妬、エトセトラ。


誰もが胸の内にあるこれらの感情は解放の時を待っている。


悲しみでその禁断の扉を開けてしまう者。


憎しみで扉の内へと引きずり込まれてしまった者。


扉の内で悶え苦しみ正気を保つことができなくなってしまった者。



様々な感情によりその扉は現れ、皆結末は同じだった。




それは何よりも恐ろしい"自我の死"。

















『受け入れれば闇の力を手に入れる。

だけどあなたは闇の力など必要がないでしょう。

七つの大罪は力であることに変わりはない。その本質が何か、あなたなら気づくことができるはずです』









シルクは闇の中でもがく。


濁流に飲み込まれ、手足は動かすことも叶わず、思考は短絡的に大罪に侵食されていく。


だが見えない視界の先には一筋の光があることにシルクは気づいていた。




濁流をかき分けゆっくりとそれに手を伸ばす。





< 354 / 406 >

この作品をシェア

pagetop