聖霊の宴

闇の中の光に手が触れた瞬間。

デモンズ・ゲートは消滅し、目の前には優しく笑いかけるミカエルの姿があった。

『大罪を克服したのですね?』

シルクは自分の中から込み上げる力に少し動揺していた。

『七つの大罪とは不要なモノか?答えは是であり否でもある。

心の弱い者は大罪に喰われ人の道を外れる。

しかし行き過ぎた感情も元は強く煌めく思いだったことでしょう。それを克服できれば強い力はその心に灯される』

「ミカエル僕は……」

ミカエルは頷く。

そしてもう一方の純白の鍵を回した。

『次はともすれば闇よりも恐ろしい。

あなたはこの『ヘブンズ・ゲート=天界の扉=』の中で答えを見つけられるでしょうか?』

白い扉が開きシルクがまた吸い込まれる様に入っていく。

ミカエルはすでにわかっていた。

これから先の受け入れがたい末路を。

それが消して避けようのない状況にあることも。


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