聖霊の宴
「そんな、バカな」
四人の前に現れたのは闇でも無ければ、無でもない。
大宇宙の始まりの時、そこには何も存在しなかった。
光も闇も、有限も無限も、意識も真理も、有機、無機、全てが存在しなかった。
空間も時間も次元もないそれを人々は"それ"と言う以外になかった。
「終わるのか?世界は」
まさに"それ"が世界を飲み込み始める。
「よく分からない。でも確かに目の前から何かが消えて意識の外へと投げ出されていく」
「あれに飲み込まれたら終わりだ……
ルシフェルはこれを狙っていたのか」
"それ"の侵食は四人の意識の無いところで着実に進んでいく。
これまでの進化や歴史すら存在を抹消されただ無でもなく"それ"の一部へと帰化していく。