聖霊の宴
心地よいフルートの音に呼応してシルフィードが世界に具象化される。
エメラルドの様な輝きを放ち、それがワイズの身体に巻き付いていく。
形を成しながら集束したそれを広げる。
「『憂いの碧翼』」
シルクはミカエルから託された七つの力の中で最も自分に合った力を理解していた。
それは一番始めに託され、幾度となく自分を仲間を、そはして敵の命すらも護ってきた神秘の羽衣。
「いこう皆『大天使の羽衣』!!」
強烈な暴風雨と閃光が放たれ、六つの術が混ざり合った。
その魔力はルシフェルの闇を容易く打ち砕き、その身体を飲み込んでいく。
「くそが!くそが!!
くそがぁぁうあああ!!」
ルシフェルの胸に穴が開き、リコの目が僅かに開いた。
シルクは目が合う。
リコは力なく、唇を動かして笑った。
「……ありがとう」
強大な魔力は大爆発を起こし何もかもを飲み込んでいく。
「リコぉぉぉぉおっ!!!」