聖霊の宴

サタンは足元からの強烈な光に気付いて、放り投げようとしていた炎を止めた。

暖かいが、全てを滅してしまいそうな強烈な光。

サタンは危機を察知して振り上げた手で叩き潰そうとする。

「ミカエル行くよオーパーツ……



『エクスカリバー=呪われた聖剣=』」

曇天が割れて一筋の光が差し込む。

その光はシルクだけを優しく照らし、シルクはゆっくりと手を掲げた。

「なにあれは?」

「神のちから?」

天空より光り輝きながら刃の無い一本の剣が現れた。

その存在に気付いたサタンが手で払い落とそうとした瞬間。

「馬鹿な」

剣はサタンの巨大な腕を弾き返し、純粋な聖なる力は、闇の王であるサタンに猛毒の様に作用し、わずかな間ではあったが動きを止めた。

シルクはゆっくりと剣を手にする。

「僕だけの力では足りないんだ。

皆の力を貸してくれ」

シルクは天空にエクスカリバーを両手で掲げると魔力を込めた。

シルクの魔力に呼応するかの様にエクスカリバーに青白い刃が現れた。

「やめろ小僧!その力はーー」

その時世界中が光を放った。

全ての生命から光となって魔力が溢れ出す。

小さな光は近くの光と溶け合い、混ざりあいながらシルクの元へと集まっていく。

小さかった光は次々と近くの光と混ざりながら大きな力となり、エクスカリバーの刃に吸い込まれていく。

「弱い命も小さな命も、全てを合わせれば闇の王すら凌駕する強力な力になるんだ!!」

世界中から集められた魔力はエクスカリバーの刀身と化し、光の刃は言葉通り天空を貫いている。

「小癪な餓鬼が!私の、私の野望の邪魔をするな『魔界降誕』」

「エクスカリバー『天地一閃』」

シルクは力一杯にエクスカリバーを振り抜いた。

巨大な光の刃は天を裂き、地を割りサタンを、飲み込んだ。








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