聖霊の宴
声を振り切ったシルク。
そして自身の異変に気付く。
「なんだ、これ?」
身体中を覆うエネルギー。
力が漲るのを感じていた。
ゆっくりと立ち上がり、シルクはサンド・ラットを捕まえる男を見る。
「なっ……何だよ?もしも一歩でも動いてみろ。こいつがどうなっても……」
「さて、どうしたものかな。なぁ?」
シルクはゆっくりと誰もいない後ろを見た。
『ようやく私が見える様になったのですね、シルク。』
男達にその姿は見えていない。
「……あんなこと言ってきたやつがまさかアンタみたいな天使だったとはね。」
シルクに微笑む美しい天使。
『私はミカエル。あなたの様な清らかな心の持ち主に巡り合えたことを嬉しく思います。あなたの望む力を与えましょう。』
「…………。ならオレは何も傷つけず、悪を捕える力が欲しい。」
自らを見据える青色の瞳にミカエルは一瞬、見惚れてしまっていた。
『宜しい。ならば、この力を授けましょう……』
カッ!!と稲妻の様に鋭い光がシルクから放たれる。
そして、一瞬にして治まった光が照らしたのは、気を失い縄に縛られた男達の姿だった。