聖霊の宴
ゲセニアを捕えたはずの銃弾がまるで影に飲み込まれる様に跡形もなく消えた。
「な、な…………うわぁぁぁぁぁあっ!!」
腰を抜かしたままに這いずりながら逃げるリーピンの足をゲセニアが踏みつける。
「ぐわぁ、痛ぇ、痛ぇえよぉ……」
ギリギリと踏みつけ、リーピンの動きを奪ったゲセニアが鋭い瞳で見下ろしている。
「リーピン・アンデラ。フレア王の命により処分する。力を貸せ『ベルゼブブ』。」
ずぁぁっ。とゲセニアの周囲に闇がまとわり付き、蠢(うごめ)く。
「…………た、助け――」
「ぎやぁぁぁぁぁあっ!!」
闇に飲み込まれたリーピンの断末魔だけが辺りにこだまし、ゲセニアは影に消えた。
ゲセニア・アルボルト宴への参加資格を獲得。