聖霊の宴
シルクが空いている唯一の席に座る。
「さて皆ご苦労だった。君達のおかげで手を焼いていた指名手配犯を一掃することができた。」
バークが投げ入れた羊皮紙に書かれた指名手配犯の名が全て消されていた。
「さてシルク、君は捕まえた17人全てを拘束して生かして連れてきたのだそうだね。」
「はい。僕は誰も殺したくはないので。」
そう言ったシルクをゲセニアが睨む。
「ふん。甘っちょろい餓鬼だな。」
シルクは何も言わない。
「生かすか生かさぬかは君達次第だと言ったはずだ。無益な言い争いなど王の前でしてくれるな。」
静かだが全身がビリビリする様な威圧感に、五人が僅かに緊張した。
「さて、次の試練だがこれより三月後に開始することとなる。内容は……」
バークがもったいぶるかの様に、五人全員をゆっくりと見回した。
「五人の参加者の中からたった一人。私との戦いの挑戦者を決める為のサドンデスバトル。生死は問わぬ、己の全てを掛けて戦いぬけ。」
待ってましたと言わんばかりに口元をゆるめたゲセニア。
ワクワクしているのだろうか、鼻歌が出ているフリップ。
マリアは冷静に、シルクとシムはただ黙して話を聞く。
「三月の時間は、それぞれ自由に鍛練するがいい。まだまだ君達の力では私を倒すことなど到底叶わないのだから。」