聖霊の宴


「広いな……それにまだ敵の気配もしない。」

『辺りを探ってみるしかなさそうですね。』

シルクはミカエルの声に頷いた。

林に隠れていると予想してシルクはなるべく湖の近くを歩いていく。

林に神経を研ぎ澄ましていた、シルクの後ろで水面が不気味に揺れていた。

「……おかしい。全く敵の気配が無いどころか動物達の気配すら無いなんて。」

その違和感にシルクが気付いた時だった。

『シルク後ろ!!』

ミカエルの声に振り返ったシルク。

そこに迫り来る強力な水鉄砲。

「ミカエル魔力を!!壁よ僕を守れ。」

地面に手をつき魔力を込めると、地面から壁が突起して水鉄砲を防いだ。

「……水中か!!」

ようやく湖へとシルクが意識を向けた瞬間。

ゴォォォォォッ。と凄まじい音をたてながら、十をゆうに越える数の水弾が水中から放たれた。





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