聖霊の宴
「まずい……これじゃ錬成した壁では防ぎきれない。」
迫り来る水弾。
シルクは魔力を振り絞る。
「いくよミカエル。『ギフト-天の贈り物-・大天使の羽衣』!!」
カッ。とシルクから強烈な光が放たれ。
その光が水弾に触れると、水弾はたちまち蒸発して消えていった。
「……やるわね、ぼうや。」
そして水面がいっそう揺れ、その中心から人が浮かんできた。
その人物にシルクの表情が歪む。
「あなたは……マリアさん!!」
精霊の能力だろう。水面に立つマリア。
湖から出てきたというのに服はおろか、髪の毛にすら一雫の水も付いていない。
「それがあなたのギフトなのねシルク。格好良いわよ。」
光の帯がシルクの首、腕に巻き付けられ、ふわふわと風にそよぐように揺れている。
「それがあなたのギフトですか?マリアさん。」
シルクはマリアの下半身が魚の様になっていることに気付いた。
「そう。ウンディーネが与えてくれた『ギフト・マーメディウム-人魚の憂い-』が私の力。」