聖霊の宴
バシャァァァァッ。と音をたて、吹き上げられた莫大な量の水が、湖に還える。
「――――!!マリアさんが居ない。」
水の幕を目隠しに何処かへ身を潜めたマリア。
「第2のギフト……『ギフト・ポセイドンの槍』!!」
水面に目をこらしていたシルク。
急に自分の周りに影が落ち、上から急速に近づいてくるそれに気が付く。
「なっ!?空から――!!」
水流壁で水中に身を潜めたと思っていたマリアだったが、実は吹き上げた水流で自らを上空へと運んでいた。
急降下しながら、鋭利な三つ又の槍をシルクに突き立てる。
「くそっ。ミカエル!!岩の盾を!!」
シルクが地面に手を触れ魔力を込めると、一瞬にしてシルクの周りを岩が覆い尽くした。
「残念ねシルク。これはダイヤモンドさえ切り裂く水流の刄よ。」
ドッ。と激しい音と共に辺りが揺れた。
まるで紙切れの様にスパッと切り裂かれた岩の盾。
抉り取られた地面に不自然に水が溜まっていた。
「……?なに、この水溜りは?」
マリアがそれを疑問に思った瞬間。
ゴッ。と音をたてながらマリアの後方で水柱が吹き上がった。
「――なっ、なに!?」
振り返ったマリアを影が覆う。
「まさか――!!」