聖霊の宴
大天使の羽衣に拘束されたマリアが藻掻くが身体の自由は無い。
「くっ……ウンディーネ。ウンディーネ!!」
マリアが叫ぶが魔力が湧き出る気配がない。
その時、胸の中から金切り声が聞こえてきた。
『ミカエルの様な天使だけが扱える能力の一つ「封魔の力」よ。』
悔しさが惜しみなく出された声にマリアの力が抜ける。
「さっきマリアさんは光の熱量で水を蒸発させたと言ったけど、それは違います。」
ゆっくりとシルクがマリアに近づく。
「僕のギフト『大天使の羽衣』は封魔の力を布の形に具現化した物。まだ僕自身の魔力が弱過ぎて封じる魔力に限界はありますけどね。」
「ふふっ。やられたわシルク。さぁ煮るなり焼くなり好きにすると良いわ。」
シルクを睨み付けるマリア。
シルクは笑う。
「はい。じゃあ好きにすることにします。ミカエル。」
『ええ、シルク。』
カッ。と暖かな光が辺りを照らすと、マリアを拘束していた大天使の羽衣が消えていた。
「……これはどういうことシルク?」