聖霊の宴
湖を離れて林道をひた走る。
お互い抜け目なく辺りに警戒していくが敵と思しき者の姿はない。
その代わりに。
バキバキバキバキィ。
バキバキ。
四方八方の大木が不規則にしかし確実に倒れていく。
「なんなのよいったい!?」
「超高速で移動できるのか、もしくは遠距離にある物体に作用できる力なのか……」
「どっちにしろ得体が知れないわ!!とにかくどこかに身を潜めましょう。」
少しずつ着実に近づいてくる不気味な気配にマリアの思考は混乱していた。
そんな状態の2人の目の前に、ポツンと一件の教会が建っているのが見えた。
あまりにも自然過ぎて、逆に不自然なそれを見てシルクは得体の知れない何かを感じた。
「ラッキーね。こんなところに教会があるなんて。」
「待ってマリアさん。」
駆け込むマリアを制止したシルク。