聖霊の宴
「………………!!」
村に陽気な歌声が響き渡る。
キャンプファイアの様に広場の真ん中で、ゴウゴウと音を立てながら、朝シルクが捕まえた猪牛が丸焼きにされている。
「おうシルク。いつも大物ありがとよ。この前のパンプキン・ガゼルも美味かったなぁ。」
髭面で頭にタオルを巻いた中年の男性がシルクに話し掛ける。
「タルタおじさん。おじさんのところのお米美味しく頂いてます。」
にっこりと笑いかけて、シルクは次々とお礼を言いにくる村人達の相手をしていく。
嫌な顔ひとつせずにこなす様は好青年以外の何とも表現しがたい。
「すいませんタルタおじさん。少し席を外させてもらいますね。」
そう言ってシルクは立ち上がり、闇の森の中へと消えていった。