聖霊の宴
突起した岩がシルクを取り囲み、その屈強な牢獄に捕らえようとしてくる。
そのスピードは凄まじく、いかに俊敏に動けたとして避けることは不可能だった。
「……ほう、これはこれは。」
パキッ。
非常にか細く弱々しい音がした数秒後、岩の牢獄のある一辺に亀裂がはしり、粉々に砕け散ったのだった。
「そうか忘れていたよ。君は偉大なる錬金術師スカーレットの血縁だったね。」
岩の牢獄を抜けたシルクが手にしていたのは、光り輝く純白の槍だった。
「大天使の羽衣の能力の一つ『付光』。大天使の羽衣と共に錬成された物質は『光』の属性が付与される。」
「面白い能力だ。だが錬金術で我がノームに勝つことができるかな?」
鮮血の石が輝くと、地中から輝く一振りの剣が現れた。
「うむ、良い出来だ。」
シムはそれを目で愛でると満足そうに笑った。
更に、今度は人ほどはあろうかという巨大な盾が現れる。
「うむ、これまた……最強の矛に相応しい最固の盾じゃあないか。」
シムはそれら2つを構え、シルクを見据える。
「いざ、参る!!」