聖霊の宴
「マリアさん、大丈夫です…か……」
そう言いかけてシルクは口をつぐんだ。
聞くよりも見た目から明らかだったのだ。
疲弊仕切った顔、揺れる肩。
マリアは無理をしていた。
シルクは叫ぶ。
「マリアさん、その身体じゃ無理だ!!さがって!!」
マリアはふらつく足元を無理矢理に正し、強い眼差しで言う。
「そんな甘いこと言ってる場合じゃないのよシルク。シムは本当に強い……」
目の前で微笑むシム。
共に戦う。と覚悟を決めてこの場に来たはずの、マリアが恐怖で数歩下がるほどの魔力を発している。
「……ぼさっとしないで、行くわよ!!」
「マリアさん――!!」
足に目一杯の力を込めて、マリアがシムに向かっていく。
振り上げられたポセイドンの槍に強烈な水流が巻き付く。
「はぁぁぁぁあっ!!『ブルー・インパクト=激水圧の衝撃=』」
ポセイドンの槍が叩きつけられ、その地点に十数メートルほどの水飛沫が上がる。
凄まじい衝撃だ。
「……ふむ、私の最強の盾に傷を付けるとは、なかなかの攻撃力だ。」
シムは一歩も動くことなく、その場にたたずんでいた。