聖霊の宴

猪牛の香ばしい匂いに村人が集まりだした。

一枚一枚の何と大きいことか、それだけでも十二分にお腹が膨れる。

リコは3人分のお皿を抱えながら歩いていた。

「パパ、お疲れさま。少し食べて。」

火の管理をしていたサモンをねぎらい、リコは持っていた1つのお皿を渡す。

「すまないな。シルク君にも持っていってあげな。」

「うん、今から行くわ。」

シルクを探して歩き始めた時。

リコだけがその不気味な変化に気付いていた。

「……え、何あれ?月が闇に食べられてしまってるみたい。」

いつの間にか月を何かが覆い尽くし、村が闇に包まれようとしていた。




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