リモート式恋愛感情【BL】

卵焼き

昨日、なんであんな言葉が零れたんだ……よりにもよって、あのチンクシャ阿東に。
奴は見ていると苛々してくる、友達とやらになればその陰気も少しはマシになるだろうと思いきや、さほど効果も出ず。

好きだなんて、最近口にしていなかった。
この変な頭に刺さっているのが人体に影響を及ぼしたのかもしれない、例えば、電波回線が混み合って他の情報を受信したとか。

別に深い意味は無いのだから今まで通りに自然に振る舞えば良いだろう。


｢ハル君の家は卵焼きは入る？｣


｢ああ……甘ったるいのが。｣


｢甘いの苦手そうだもんね、｣

俺が自然に振る舞おうとするほど不自然な気がした。

元々そんなに喋る人間じゃないし、何故か阿東が弁当を俺に作る流れになっているし。
これじゃあまるで……

｢ああー！｣

頭を掻き乱し、一度リセットした。


｢そんなに甘いの苦手なんだ。｣

勝手な解釈も止める気が湧かない。