金持ち家族の執事様は貧乏女子!





またじーっとあたしを見る洸貴さん。
かなり天然な人なんですね。
あははは・・・


「それじゃ、あたし勇平君が呼んでいたので行きますね」


モップを持って部屋を出ようとしたら

「明日もここ掃除来る?」


「え・・・」


無表情な顔ででもさびしそうな眼であたしに聞いた。


「・・・えぇ、来ますよ」ニコッ


その瞬間、洸貴さんの顔が明るくなった気がした。

無表情だけどその時はなぜか理解できたんだ。




そして、勇平君の部屋



「おそーい!!」


とりゃっ とふざけてあたしに勢いよく抱きつく勇平君。

「ごめんね。」



いきなり顔から笑顔がなくなり険しい顔になる勇平君。
どうしたのかな

「・・・洸貴兄ちゃんに会ったの?」


静かに問いたんだ。

なんでそんなに寂しそうなの?

「…会ったよ?」


「そっか、かっこよかった?」


「うん」


うなずいたらまた次とどんどん聞いてくる

「俺よりも?」


「勇平君もかっこいいよ」


「ほんとに?」


「うん」


「嘘ついたら罰ゲームだよ?」


「うん」


「じゃぁ、本当だったら俺と結婚して?」


「勇平君のお姉ちゃんになったから結婚できないじゃん」


「じゃぁ、洸貴兄ちゃんとも結婚できないってこと?」


「そうだよ」


ここでようやく勇平君の顔に笑顔が戻った。

それにしてもなんで洸貴さんのことばかり聞いてくるんだろう?







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