闇魔女
そんな由宇と愛海の耳に飛び込んできたのはミス・ミスターコンテストの賞品情報だった。
「愛海」
『……ん?』
俯きながら愛海の腕をガシッと掴んだ。
ただならぬオーラが漂っている。
「出るわよ」
『何に』
「決まってるじゃない!!!
華コンよッ!!!!!
愛海なら優勝間違いなしだわっ!!!
私も出るから!!!!」
ガバッと顔をあげた由宇の瞳はキラキラと輝いている。
『……そうか、由宇はブルドックが大好きだったな』
「愛海!!
本気でやりなさい!!
私のおごりの高級ステーキプラス豪華ディナーが食べられるのよ!!」
『豪華ディナー…
お腹すいた』
「行くわよっっっ!!」
よだれを垂らしそうな顔の愛海をひっぱり、申し込みテントへ走っていく由宇だった。