闇魔女
「あら、そう。
分からない。
へー。分からない。
じゃあ、この由宇様が教えてあげるわ。
まずは、そのムダに綺麗な髪を溶かすでしょう?
そして、そのムダに高い鼻を潰して…」
『分かりました。しっかりきっかりやらさせていただきます』
クスクスと笑いながらスムーズに紡がれていくグロテスクな内容に、キリッと表情を変えた。
「そうよ。それでいいのよ」
『……この死神悪魔…』
「ん?
愛海、何か言った?」
由宇に聞えないように小声で毒吐いたのだが、地獄耳を持つ由宇にはバッチリ聞かれてしまった。
ざぁーっと青褪めた愛海は、引き攣った笑みを浮かべ、
『…き、聞き込みに言ってくるであります!!!』
ビシッと敬礼をして脱兎の如くその場を立ち去った。