闇魔女
「なーんだ。
闇魔女の仕事か」
つまらない。
言外にそう言った由宇は愛海の前に座った。
『闇魔女は仕事じゃないもん。
誰かに依頼されるわけじゃないし』
ムッとして愛海は頬を膨らまして抗議した。
「…まぁ、そうだけど。
でも愛海さ…」
『由宇。
これはアタシが選んだ道なんだよ。
闇魔女の存在がアタシの罪滅ぼしなんだから』
由宇の言葉を遮り、愛海は真顔で由宇を見た。
「ッ…愛海…」
『…そりゃね。
闇魔女は楽しいことではないよ。
でも、それでも、こんなアタシにでも救える命が確かにあったんだ。
救われた心が確かにあったんだよ』