ピエロ
「ひっ」

由紀が小さな悲鳴をあげる

[由紀由紀ゆきー

血がね血が

滲んで模様みたいに

なってるよー

あひやひやひやひや]

雅人は狂った様に

笑い出す...。

雅人に今芽生えたのは

狂喜...。

由紀を大切にするんじゃなくて

由紀を傷付ける事に

快感が芽生えた...。

「もうやめて

痛い痛い痛い

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

[由紀遅いよー

もうだーめあひや

遅すぎーひやひやひや]

「嫌嫌嫌

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

[由紀のその声いー

もっともっと鳴けよ

ほら鳴けよおおおー

ひいははひやあひあ]

由紀の背中はもう

紅く染まってしまっていて

肌の色が分からない
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