小悪魔な年下くん!
僕がそう言ったのと同時に帰りのHRチャイムが鳴った。
パタパタと上靴を鳴らして、僕らは自分自分の教室に戻っていく。
さすがに、授業はたま~にサボる事はあるけど、帰りくらいは…ね?
「き、季一くんっ!!」
僕が、教室に入るなり女子の歓声。
まぁ…モテるってのは悪くない事だろうけど、さすがにこんなに騒がれるとさ…。
「どうしたの~?」
「きゃぁ~!可愛い~っ!!」
子供っぽく女子に首を傾げて聞くと、大歓声。
なんか、これって…裏表なのかな?
いつも、春也達と話してる時はもっと…なんか、こう…。
…とにかく違うんだよなぁ…。
「あのっ!今日の放課後、空いてましゅかっ!?」
“空いてましゅか”だって。
面白いなぁ、女子って。
愛莉も、僕に惚れたらこんな事言うのかな~?
そんな愛莉を想像すると、なんか笑えちゃう。
「ごめんね…。僕、今日ね、友達と遊ぶから…」