小悪魔な年下くん!
いつの間にか、HRの終わりを告げるチャイムが響く。
先生は教室から出ていき、みんなは席を立ち次の授業の準備。
あたしもみんなと同じように、席を立ちあがって教室を出ようとした。
「ちょっと~!愛莉ってば、どこ行くの!」
「え~っと…めんどくさいから、サボろうかと…」
「はぁ…。言い訳はなんていうの?」
「…具合が悪かった」
あたしの定番の言い訳。
てか、最近サボり気味の授業。
主にサボる授業は、技術科。
めんどくさいってのもあるけど、あたし工作とか凄く下手!
だから…かな?
って、そんなの理由になってないんだけど…。
詩音は、溜息をつくと「分かった。言っておくよ」と言って、他のグループの輪の中に消えていった。
あたしはすぐさま、屋上へと足を進めた。
「う~!気持い~♪」
屋上では、大きな空が見えて、心地よい風が吹いて気持ちいい。
ちょっと経つと、誰かが階段を上ってくる音がした。
あたしは、屋上の倉庫の壁に隠れた。
「季一!ターゲット早く決めようぜ!!」
「え~。だって、まだいい子見当たらないから無理~」
「まぁ、春也もそう焦るな」
「だってよぉ…。暇なんだよー!!翼なら分かるだろ~?!」
「まぁ、分かるって言ったら分かるけど…。季一を焦らせちゃダメでしょ?」