ミルクティー
「今日は早く帰ろう。」


いつもなら誰もいなくなるまで残るけど、今日は早く忘れるために帰ろうと思った



スタスタ

自然と足が早く動く



「拓様今日は私と一緒に帰りましょう。」
「いえ、私と帰ってください。」

「ごめんね、今日は用事があるんだ。」


目の前には見たくもない人
くそ王子が取り巻きの女子に困った顔で愛想を振りまいている

そんな顔嘘のくせに


本当は通りたくないけど、その廊下を通らないと帰れない。仕方なく早足で通る


スタスタスタ


「拓様♪」

「また今度一緒に帰りましょう。」

拓様拓様うるさいのよ!
嘘の笑顔振りまいてんのに何で気づかないの!?



ドンッ


王子様の横を通りすぎる瞬間だった
取り巻きの女子が私に気づかずぶつかってきた



ヤバイ倒れる!!


目を瞑った瞬間

「アレ?転げない?」


「メガネちゃん大丈夫?」



あぁ、倒れなかった原因はこの人なんだ
私の体の前に腕があった



周りからは変なものでも見るように、この王子様と地味子という組み合わせを見ている


「あの子羨ましい~」

「いや~!」


様々な声が聞こえてきた
でも私にはそんな声なんて聞こえなくなるくらいこの王子様、くそ王子の顔をかっこいいと見惚れてしまった


「メガネちゃん怪我してない?」


子犬のような潤んだ目で覗いてくるその表情は反則だ
一瞬で恋に落ちてしまいそう


「反則だよ…」

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