ラジカルギャングズGODFATHER
運転手は唸りながらうつ伏せの体を起こし、やかましく泣く赤ん坊を見たのち、不快そうに燈路を睨む。

ヘルメットを外してから、冷静な声で咎めた。


「バイクの音、聞こえてなかったのかよ」

「ごめんなさい、急いでたから……」

「轢き殺されたいのか、このっ──バカ!!」


見ず知らずの、同じ年頃の少年に怒鳴られて一瞬怯んだ。

その大声で赤ん坊がまた酷く泣いたので、バイクの少年は溜め息をついた。

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